【重要事項説明書の電子化、不動産営業職100名の意見は?】
7割以上が電子化に「ポジティブ」の一方、
2社に1社が「社内の対応が進められていない」実態が明らかに
〜重要事項説明書の電子化の壁は、「システムの導入ができていないこと」が51.9%〜
■調査概要
調査概要:重要事項説明書の電子化に対する「営業職」の意識調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2022年9月15日〜同年9月16日
有効回答:賃貸物件を取り扱う、不動産業の営業職101名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
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■2022年5月からの賃貸契約における重要事項説明書の電子化、74.2%が「ポジティブ」と回答
「Q1.2022年5月から、賃貸契約における「重要事項説明書」の電子化が認められましたが、あなたはどのように捉えていますか。」(n=101)と質問したところ、「ポジティブ」が31.6%、「どちらかというとポジティブ」が42.6%という回答となりました。
・ポジティブ:31.6%
・どちらかというとポジティブ:42.6%
・どちらかというとネガティブ:11.9%
・ネガティブ:4.0%
・わからない/答えられない:9.9%
■「重要事項説明書」の電子化に対し、74.7%が「手続きの負担の軽減」にポジティブな声
Q1で「ポジティブ」「どちらかというとポジティブ」と回答した方に、「Q2.「重要事項説明書」の電子化に対して、ポジティブに捉えている理由を教えてください。(複数回答)」(n=75)と質問したところ、「手続きの負担が軽減されるから」が74.7%、「印刷コストが削減できるから」が40.0%、「生産性が向上するから」が33.3%という回答となりました。
・手続きの負担が軽減されるから:74.7%
・印刷コストが削減できるから:40.0%
・生産性が向上するから:33.3%
・管理コストが軽減できるから:30.7%
・働き方改革が推進されるから:24.0%
・DXが推進されるから:12.0%
・セキュリティが強化されるから:8.0%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:0.0%
■他にも「遠方のお客さんとやりとりしやすい」や「保管場所が不要」などのポジティブ理由も
Q2で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q3.Q2で回答した以外に「重要事項説明書」の電子化に対して、ポジティブに捉えている理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=75)と質問したところ、「遠方のお客さんとやりとりしやすい」や「保管場所が不要」など58の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・41歳:遠方のお客さんとやりとりしやすい。
・36歳:保管場所が不要。
・30歳:様々な場所で様々なデバイスからアクセスできて利便性が高くなりそう。
・33歳:今後の社会の流れに沿っているから。
・40歳:わざわざ来店促さなくてよい。
・36歳:移動時間の削減目標、コロナ感染リスク低減につながるから。
・33歳:印刷・製本という時間が省けて、それに伴うミスなども無くなる。
・43歳:紛失のリスクヘッジや、渡した渡してないのトラブルが回避出来る。
■「重要事項説明書」の電子化について「ネガティブ派」の理由、62.5%が「高齢者など対応できないお客様がいるから」と回答
Q1で「ネガティブ」「どちらかというとネガティブ」と回答した方に、「Q4.「重要事項説明書」の電子化に対して、ネガティブに捉えている理由を教えてください。(複数回答)」(n=16)と質問したところ、「高齢者など対応できないお客様がいるから」が62.5%、「従来のやり方を変更することに不安があるから」が31.2%という回答となりました。
・高齢者など対応できないお客様がいるから:62.5%
・従来のやり方を変更することに不安があるから:31.2%
・対応の目処が立っていないから:25.0%
・システム導入コストがかかるから:25.0%
・セキュリティに関する不安があるから:12.5%
・その他:6.2%
・わからない/答えられない:6.2%
■他にも「慣れていないから」や「説明も大変」などのネガティブ理由も
Q4で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q5.Q4で回答した以外に、「重要事項説明書」の電子化に対して、ネガティブに捉えている理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=15)と質問したところ、「慣れていないから」や「説明も大変」など9の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・44歳:慣れていないから。
・39歳:説明も大変。
・38歳:手続きがめんどう。
■現在は「重要事項説明書」に関する説明を、約半数が「全て対面」で実施
「Q6.あなたの会社では、現在「重要事項説明書」に関する説明をどのように行っていますか。」(n=101)と質問したところ、「全て対面」が46.5%、「対面とオンラインの両方」が44.6%という回答となりました。
・全て対面:46.5%
・対面とオンラインの両方:44.6%
・全てオンライン:0.0%
・わからない/答えられない:8.9%
■対面で説明する理由として、「対面でも問題がない」や「お客様がWeb会議を行えない」などの声多数
Q6で「全て対面」と回答した方に、「Q7.オンラインでの説明が実施できない理由を教えてください。(複数回答)」(n=47)と質問したところ、「対面でも問題がないから」が48.9%、「お客様がWeb会議を行えないから」が38.3%、「説明する人間のITリテラシーが低く、Web会議システムが利用できないから」が36.2%という回答となりました。
・対面でも問題がないから:48.9%
・お客様がWeb会議を行えないから:38.3%
・説明する人間のITリテラシーが低く、Web会議システムが利用できないから:36.2%
・システム導入の担当者がいないから:34.0%
・Web会議システムに費用がかかるから:12.8%
・その他:0.0%
■半数以上が「重要事項説明書」の電子化対応が進められておらず
「Q8.あなたの会社では、2022年5月の施行より、「重要事項説明書」の電子化に向けた対応が進められましたか。」(n=101)と質問したところ、「全く進められていない」が25.7%、「あまり進められていない」が25.7%という回答となりました。
・全く進められていない:25.7%
・あまり進められていない:25.7%
・やや進められている:23.8%
・かなり進められている:11.9%
・わからない/答えられない:12.9%
■電子化対応が進められていない理由、半数以上が「システムが導入できていない」と回答
Q8で「全く進められていない」「あまり進められていない」と回答した方に、「Q9.「重要事項説明書」の電子化に向けた対応を進められていない理由を教えてください。(複数回答)」(n=52)と質問したところ、「対応の計画が立っていない」が53.8%、「システムが導入できていない」が51.9%、「運用を整備する担当者がいない」が51.9%という回答となりました。
・対応の計画が立っていない:53.8%
・システムが導入できていない:51.9%
・運用を整備する担当者がいない:51.9%
・経営陣が対応の必要性を理解していない:26.9%
・重要事項説明書の電子化について、詳しい人がいない:23.1%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:1.9%
■他にも「普段の業務が忙しいから」や「会社の体制が整っていない」などの理由も
Q9で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q10.Q9で回答した以外に、「重要事項説明書」の電子化に向けた対応を進められていない理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=51)と質問したところ、「普段の業務が忙しいから」や「会社の体制が整っていない」など30の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・43歳:普段の業務が忙しいから。
・37歳:会社の体制が整っていない。
・36歳:声をあげて進める担当がいないから。
・38歳:新しいことへの取り組みが難しい会社だから。
・35歳:詳しい人がいないから。
・38歳:お客様が対応出来ない等が多い。
■まとめ
今回は、賃貸物件を取り扱う不動産業の営業職101名を対象に、重要事項説明書の電子化に対する「営業職」の意識調査を行いました。
結果として、2022年5月から交付が可能となった賃貸契約における重要事項説明書の電子化について、不動産営業の74.2%が手続きの負担の軽減などを期待し「ポジティブに捉えている」と回答しました。
一方で、現時点では「重要事項説明書」に関する説明を約半数が「対面」で実施しており、半数以上が「重要事項説明書」の電子化対応が進められていない実態が明らかになりました。電子化対応が進められていない理由についてはさまざまな意見が挙がりましたが、半数以上が抱える課題として「対応の計画が立っていない」や「システムが導入できていない」「運用を整備する担当者の不在」などが挙がりました。
近年、さまざまな業務の電子化が進む中で、不動産業においても電子化に注目が集まっています。コロナ禍にもかかわらず対面での説明が必須となっていた要因の一つとして「重要事項説明書」があり、これを電子化できれば手続きの簡略化や遠方のお客様とも契約がしやすいと、不動産営業者の多くが「電子化」に対し意欲的であるようです。
一方で、高齢のお客様への対応に課題を感じる方やシステム導入にハードルを抱えている企業もあることから、現時点では「対面業務」と「電子化」の両立をする必要があるのかもしれません。また、「電子化」に意欲的である反面、「電子化」に対して腰が重い実態もあり、導入のプロセスが簡単であることが必須条件とも言えるでしょう。