【2022年1月施行の令和3年改正電子帳簿保存法】大企業の法務・総務・経理部門、保存義務条項を知っているものの全ての書類保存に「タイムスタンプ」を押して保存する企業は22.2%に留まる
■調査概要
調査概要:「電子帳簿法施行」に向けた意識調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年10月22日〜同年10月24日
有効回答:東京都内の大企業(従業員数1000人以上)に勤め且つ電子取引を行っており、保存義務条項を知っている、法務・経理・総務部門に所属している方108名
■電子取引等の書類の保存時に「タイムスタンプ」を全て押している企業はわずか22.2%
「Q1.現在、電子取引等の書類の保存時に「タイムスタンプ」を押していますか。」(n=108)と質問したところ、「全て押している」が22.2%、「一部押している」が41.7%という回答となりました。
・全て押している:22.2%
・一部押している:41.7%
・全く押していない:27.8%
・わからない:8.3%
■タイムスタンプ付与を実施していない企業の約8割が、2022年の電子帳簿保存法の改正で「タイムスタンプによる書類保存が法令対応すること」を認知
「Q2.Q1で「一部押している」「全く押していない」と回答した方にお聞きします。2022年の電子帳簿保存法の改正では、電子取引で利用した書類に関して、受け取り側でタイムスタンプをうって保存する方法で法令対応ができることをご存知ですか。」(n=75)と質問したところ、「知っている」が77.3%、「知らない」が22.7%という回答となりました。
・知っている:77.3%
・知らない:22.7%
■タイムスタンプの全体運用開始をしていない企業の74.7%が、今後「タイムスタンプの全体運用」予定
「Q3.Q1で「一部押している」「全く押していない」と回答した方にお聞きします。自社でのタイムスタンプの全体運用開始をする予定がありますか。」(n=75)と質問したところ、「予定があり、具体的な時期が決まっている」が34.7%、「予定はあるが、時期は決まっていない」が40.0%という回答となりました。
・予定があり、具体的な時期が決まっている:34.7%
・予定はあるが、時期は決まっていない:40.0%
・予定はない:8.0%
・そもそもタイムスタンプは使わない:8.0%
・わからない:9.3%
■タイムスタンプの全体運用開始時期、「2022年1月~3月ごろ」が69.2%で最多
「Q4.Q3で「予定があり、具体的な時期が決まっている」と回答した方にお聞きします。その時期はいつ頃ですか。」(n=26)と質問したところ、「2021年12月以前」が15.5%、「2022年1月~3月ごろ」が69.2%という回答となりました。
・2021年12月以前:15.5%
・2022年1月~3月ごろ:69.2%
・2022年4月~6月ごろ:7.7%
・2022年7月~9月ごろ:3.8%
・2022年10月~12月ごろ:0.0%
・2023年以降:3.8%
■社内全体のタイムスタンプ運用を行う上で課題になりそうな点、約半数が「運用体制が構築できない」と回答
「Q5.Q3で「予定があり、具体的な時期が決まっている」「予定はあるが、時期は決まっていない」と回答した方にお聞きします。社内全体のタイムスタンプ運用を行う上で課題になりそうな点があれば教えてください。(複数回答)」(n=56)と質問したところ、「運用体制が構築できない」が46.4%、「運用推進担当者がいない」が30.4%、「煩雑化し、工数が増える」が30.4%という回答となりました。
・運用体制が構築できない:46.4%
・運用推進担当者がいない:30.4%
・煩雑化し、工数が増える:30.4%
・システムの導入がされていない:25.0%
・運用が属人化しそう:16.1%
・課題は特にない:10.7%
・わからない:3.6%
・その他:0.0%
■他にも「無駄な承認が増える」や「コスト面」に対する課題の声も
「Q6.Q5で「課題は特にない」「わからない」以外の選択肢を回答した方にお聞きします。Q6で回答した以外に課題があれば、自由に教えてください。」(n=48)と質問したところ、「改ざんに対する対応は担保されていると思うが、承認活動における形骸化が懸念される」「コスト面」など22の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・56歳:改ざんに対する対応は担保されていると思うが、承認活動における形骸化が懸念される。
・47歳:コスト面。
・51歳:セキュリティの問題。
・52歳:こういったシステム変更の費用も事業主が負担する事。
・53歳:現場の理解とキャパ。
・25歳:まだ内容を具体的に理解している人がいないので、担当者を決めるところからになるだろうと思う。担当者を決めても、その後の人事異動でトラブルが発生すると考えている。
■まとめ
今回は、東京都内の大企業(従業員数1000人以上)に勤め且つ電子取引を行っており、保存義務条項を知っている、法務・経理・総務部門に所属している方108名を対象に、「電子帳簿法施行」に向けた意識調査を行いました。
まず、現状で、電子取引等の書類保存時に「タイムスタンプ」を全てに押している企業はわずか22.2%という結果に。一方で、「一部押している」「全く押していない」と回答した企業に対し、2022年の電子帳簿保存法の改正の具体的内容を聞いたところ、77.3%が、電子取引で利用した書類に関して、タイムスタンプを押して保存する方法で法令対応ができることを認識していました。
また、タイムスタンプの全体運用開始をしていない企業の74.7%が、「タイムスタンプの全体運用」を開始予定と回答しており、その時期については、「2022年1月~3月ごろ」が69.2%で最多、「2021年12月以前」が15.5%と、2022年の電子帳簿保存法の改正までに対応する企業が多い結果となりました。
続いて、社内全体でタイムスタンプの運用を開始する上で、課題になりそうな点について尋ねたところ、約半数が「運用体制が構築できない」と回答。他にも「無駄な承認が増える」や「コスト面」に対する課題の声も挙がりました。
2022年の電子帳簿保存法の改正に伴い、電子取引等の書類保存時の「タイムスタンプ押し」に関しての認知度は高く、2022年初旬に運用開始を予定している企業が多い一方で、スムーズな運用体制の切り替えに対しては課題や不安を多く抱えていることが明らかとなりました。今回の法改定により、「タイムスタンプ」を含めた電子契約運用を便利に活用できるサービスは、課題解決への近道となりそうです。
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