【テレワーク推進から2年、その課題は?】
6割以上から「承認フローを電子化してほしい」との声
〜「対面で承認をもらう必要がなく、業務が効率的になるため」という理由〜
■調査概要
調査概要:「テレワークの課題」に関する定点調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2022年3月31日〜同年4月1日
有効回答:テレワークを行っている東京在住の会社員106名
※比較調査:2020年3月2日~2020年3月3日|「リモートワーク・テレワーク」に関するアンケート調査|https://paperlogic.co.jp/news_20200306/
■コロナ対策として、テレワークを推奨した企業98.2%、一昨年比11.8ポイントアップ
「Q1.新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、あなたの会社ではテレワークが推奨されましたか。」(n=106)と質問したところ、「強く推奨された」が59.5%、「推奨された」が38.7%という回答となりました。
・強く推奨された:59.5%
・推奨された:38.7%
・あまり推奨されていない:0.9%
・全く推奨されていない:0.9%
・わからない/答えたくない:0.0%
■テレワークと出社の比率、64.1%が「週に1日以上出社する」と回答
「Q2.あなたは、現在週にどの程度テレワークを行っていますか。出社との比率を教えてください。」(n=106)と質問したところ、「週に5日テレワーク」が34.0%、「週に4日テレワーク・1日出社」が25.5%という回答となりました。
・週に5日テレワーク:34.0%
・週に4日テレワーク・1日出社:25.5%
・週に3日テレワーク・2日出社:17.9%
・週に2日テレワーク・3日出社:11.3%
・週に1日テレワーク・4日出社:9.4%
・その他:1.9%
・わからない:0.0%
■テレワークの課題、第1位「社内の動きが把握しづらい」(46.2%)、第2位「上司とのコミュニケーションが取りにくい」(23.6%)
「Q3.あなたご自身がテレワークを行う中で、具体的な課題があれば教えてください。(複数回答)」(n=106)と質問したところ、「社内の動きが把握しづらい」が46.2%、「上司とのコミュニケーションが取りにくい」が23.6%、「仕事中気を抜いてしまう」が23.6%という回答となりました。
・社内の動きが把握しづらい:46.2%
・上司とのコミュニケーションが取りにくい:23.6%
・仕事中気を抜いてしまう:23.6%
・自宅だと集中できない:21.7%
・部下とのコミュニケーションが取りにくい:17.9%
・仕事の手応え感がない:14.2%
・自分がどのように評価されているか不安:12.3%
・仕事をやりすぎてしまう:11.3%
・成長機会がない:8.5%
・その他:1.9%
・特に課題はない:22.6%
・わからない:1.9%
■他にも「出社時に仕事が溜まりやすい」や「部門間の情報共有が弱くなった」などの課題も
Q3で「特に課題はない」「わからない」以外を回答した方に、「Q4.Q3以外に課題に思うものがあれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=80)と質問したところ、「出社時に仕事が溜まりやすい」や「部門間の情報共有が弱くなった」など52の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・35歳:出社時に仕事が溜まりやすい。
・60歳:部門間の情報共有が弱くなった。
・45歳:どうしても郵便物や宅配便、電話など出社組への負担が増えてしまう。
・27歳:自宅のネット環境や光熱費がかかること。
・60歳:業務の進捗状況が把握しにくい。
・47歳:会社だと簡単に作れる書類やデータが、家だと時間と手間ばかりがかかり非効率。
・53歳:何気ない会話が減るので、同僚が何を感じているか把握しづらい。
・50歳:営業スタイルがなかなか確立できない。未だ模索中。
■テレワークにおける課題、「書類に押印のための上長承認が取りにくい」(17.0%)や「全てリモートで行えない」(16.0%)など
「Q5.あなたの勤務先で、テレワークを行う上で組織や制度・体制的な課題があれば、教えてください。(複数回答)」(n=106)と質問したところ、「書類に勤務先のハンコを押印する必要があり上司の承認・決裁が取りにくい」が17.0%、「wi-fi環境やPC環境が整っておらず、遅い」が16.0%、「数日に一回出社する必要があり、全てリモートで行えない」が16.0%という回答となりました。
・書類に勤務先のハンコを押印する必要があり上司の承認・決裁が取りにくい:17.0%
・wi-fi環境やPC環境が整っておらず、遅い:16.0%
・数日に一回出社する必要があり、全てリモートで行えない:16.0%
・テレワークの運用が整っておらず、非効率:12.3%
・ツールが整っておらず非効率:8.5%
・その他:0.9%
・特に課題はない:50.9%
■「紙の文化からの移行に消極的」や「社内では電子で可能な決済や契約処理も、相手先の都合で郵送や押印が必要」などの課題も
Q5で「特に課題はない」以外を回答した方に、「Q6.Q5以外にテレワークを行う上で組織や制度・体制的な課題があれば、教えてください。(自由回答)」(n=52)と質問したところ、「紙の文化からの移行に消極的」や「社内では電子で可能な決済や契約処理も、相手先の都合で郵送や押印が必要」など31の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・54歳:紙の文化からの移行に消極的。
・45歳:社内では電子で可能な決済や契約処理も、相手先の都合で郵送や押印が必要。
・47歳:会社でしか持てない設備がどうしてもある。
・45歳:100%テレワークでも問題ないのにも関わらず、出社比率が設定される。
・59歳:連絡会などがないので、情報に取り残されている。
・50歳:電話問題などインフラが整備しきれていない。
・56歳:リアルな接点がないと業務がいずれ円滑に行うことが出来なくなる。
■61.3%が電子承認のフロー化「とてもそうなって欲しい」と回答、一昨年比22.1ポイントアップ
「Q7.今後、勤務先でのハンコが電子化し、電子承認のフローになってほしいと思いますか。」(n=106)と質問したところ、「とてもそう思う」が61.3%、「ややそう思う」が24.5%という回答となりました。
・とてもそう思う:61.3%
・ややそう思う:24.5%
・あまりそう思わない:5.7%
・全くそう思わない:3.8%
・わからない/答えたくない:4.7%
■電子承認フロー化を求める理由、「対面で承認をもらう必要がなくなり、業務が効率的になるため」が58.2%で最多
Q7で「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q8.勤務先でのハンコが電子化し、電子承認のフローになってほしい理由を教えてください。(複数回答)」(n=91)と質問したところ、「対面で承認をもらう必要がなくなり、業務が効率的になるため」が58.2%、「申請から承認までの時間短縮ができるため」が45.1%、「電子で保存できるため、破損・紛失がなくなるため」が39.6%という回答となりました。
・対面で承認をもらう必要がなくなり、業務が効率的になるため:58.2%
・申請から承認までの時間短縮ができるため:45.1%
・電子で保存できるため、破損・紛失がなくなるため:39.6%
・物理的保存の必要性がなくなるため:27.5%
・安全に送付できるため:14.3%
・内部統制が強化できるため:5.5%
・その他:0.0%
・特にない/答えたくない:3.3%
■まとめ
今回は、テレワークを行っている東京在住の会社員106名を対象に、「テレワークの課題」に関する定点調査を行いました。
まず、コロナ感染対策として、テレワークを推奨した企業は98.2%という結果となり、一昨年の調査と比較したところ、11.8ポイントアップしていることが分かりました。一方で、テレワークと出社の比率を伺うと、64.1%が「週に1日以上出社する」と回答しており、完全リモート出来ている会社員は34.0%という結果になりました。
そこで、テレワークの課題について伺うと、第1位が「社内の動きが把握しづらい」で46.2%、第2位が「上司とのコミュニケーションが取りにくい」で23.6%という結果に。他にも、「出社時に仕事が溜まりやすい」や、「部門間の情報共有が弱くなった」などの課題の声が挙がりました。さらに、テレワークを行う上で組織や制度・体制的な課題については、「書類に勤務先のハンコを押印する必要があり上司の承認・決裁が取りにくい」(17.0%)や「数日に一回出社する必要があり、全てリモートで行えない」(16.0%)、「wi-fi環境やPC環境が整っておらず、遅い」(16.0%)などが挙がりました。自由回答では、「紙の文化からの移行に消極的」や「社内では電子で可能な決済や契約処理も、相手先の都合で郵送や押印が必要」といったペーパーワークに関する課題が多数挙がりました。
また、電子承認フローについて、61.3%が「勤務先でのハンコが電子化し、電子承認のフローになってほしい」と回答しており、一昨年調査した結果と比較したところ、22.1ポイントアップしていることが分かりました。電子承認フロー化を求める理由としては、「対面で承認をもらう必要がなくなり、業務が効率的になるため」が58.2%で最多となりました。
今回の調査では、テレワークの推奨が急速に進んだ一昨年と比較し、ほとんどの企業で推奨するようになったという実態が明らかとなりました。テレワークの推進が進む中での課題としては、書類の取り扱いや決裁者の承認が紙ベースで行われていることが挙げられ、未だにペーパーワークという壁が立ちはだかっているようです。また、自社での電子化が進んでいても、取引先の電子化の進み具合によっては完全なる電子化が難しいという実態も明らかとなりました。DX化の推進が叫ばれる中、テレワークの環境を整えることで業務の効率化やコストメリットを実感する企業が多く、ペーパーレス化を推進することで、より出社に捉われない働き方や経費の削減に繋がると言えるでしょう。