【2022年改正 電子帳簿保存法の対応状況を定点調査】電子帳簿保存法の義務化について、86.3%が「認知」2022年比7.2ポイントアップ
〜対策は、「新しいシステムの導入」が60.7%で最多、昨年比5.9ポイント上昇〜
■調査概要
調査概要:【定点】電子帳簿保存法改正に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年4月18日〜同年4月19日
有効回答:東京都内の大企業(従業員数1000人以上)に勤め且つ電子取引を行っている、法務・経理・総務部門に所属している方102名
※1:構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため合計しても必ずしも100とはなりません。
*参考|2022年3月8日発表「電子帳簿法改正」に関する意識調査(定点)
https://paperlogic.co.jp/news_20220308/
≪利用条件≫
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■2022年電子帳簿保存法の義務化について、86.3%が「認知」、2022年比7.2ポイントアップ
「Q1.あなたは、2022年1月1日から、電子帳簿保存法において、電子取引データの電磁的記録の保存義務が施行されたことを知っていますか。」と質問したところ、2023年(n=102)は「知っている」が86.3%、「知らない」が13.7%、2022年(n=110)は「知っている」が79.1%、「知らない」が20.9%という回答となりました。
<2023年(n=102)>
・知っている:86.3%
・知らない:13.7%
<2022年(n=110)>
・知っている:79.1%
・知らない:20.9%
■電子帳簿保存法7条の具体的な内容に関して、67.0%が「認知」、2022年比10ポイントダウン
Q1で「知っている」と回答した方に、「Q2.改正された電子帳簿保存法7条(旧10条)が具体的にどのようなものかご存知ですか。」と質問したところ、2023年(n=88)は「知っている」が67.0%、「知らない」が33.0%、2022年(n=87)は「知っている」が77.0%、「知らない」が23.0%という回答となりました。
<2023年(n=88)>
・知っている:67.0%
・知らない:33.0%
<2022年(n=87)>
・知っている:77.0%
・知らない:23.0%
■勤め先での電子帳簿保存法の要件に対する対策、94.9%が「実施」、2022年比2ポイント減
Q2で「知っている」と回答した方に、「Q3.2022年1月1日より、電子取引が行われた見積書や請求書等について、電子帳簿保存法の要件(※2)にしたがって保存する必要がありますが、あなたのお勤め先では、これらの対策を行っていますか。」と質問したところ、2023年(n=59)は「はい」が94.9%、「いいえ」が3.4%、2022年(n=64)は「はい」が96.9%、「いいえ」が3.1%という回答となりました。
<2023年(n=59)>
・はい:94.9%
・いいえ:3.4%
・わからない/答えられない:1.7%
<2022年(n=64)>
・はい:96.9%
・いいえ:3.1%
■改正電子帳簿保存法7条の対策、「新しいシステムの導入」が60.7%。2022年比5.9ポイントアップ
Q3で「はい」と回答した方に、「Q4.改正電子帳簿保存法7条の対策として、実際にどのような対策をしていますか。(単一回答)」と質問したところ、2023年(n=56)は「新しいシステムの導入」が60.7%、「既存のシステムで対応」が28.6%、2022年(n=62)は「新しいシステムの導入」が54.8%、「既存のシステムで対応」が30.6%という回答となりました。
<2023年(n=56)>
・新しいシステムの導入:60.7%
・既存のシステムで対応:28.6%
・事務処理規程を定めて運用:10.7%
・その他:0.0%
<2022年(n=62)>
・新しいシステムの導入:54.8%
・既存のシステムで対応:30.6%
・事務処理規程を定めて運用:14.5%
・その他:0.0%
■「社員教育」や「自動化」などの対策も
Q3で「はい」と回答した方に、「Q5.電子帳簿保存法改正の対策として、Q4で回答いただいた以外に対策をされていたら、具体的に教えてください。(自由回答)」と質問したところ、2023年(n=56)は「社員教育」や「自動化」など28の回答を、2022年(n=62)は「電子保存の内容を社内教育」や「猶予期間を活かして規定見直し」など36の回答を得ることができました。
<2023年(n=56)自由回答・一部抜粋>
・51歳:ワークフローシステム。
・43歳:社員教育。
・26歳:自動化。
・53歳:自社開発ソフトをアップデート中。
・53歳:運用の見直し。
<2022年(n=62)自由回答・一部抜粋>
・31歳:電子保存の内容を社内教育。
・50歳:猶予期間を活かして規定見直し。
・49歳:電子契約システムの活用。
・40歳:社内ルールの変更。
・28歳:ペーパーレス運動。
・45歳:新しく電子帳簿用のフォルダを作成してルールに沿って保存していく。
・56歳:バックアップサーバの構築。
・35歳:既存システムの改修。
・52歳:ファイルサーバーの整理保存場所の棚卸し。
■電磁的記録の保存義務の要件を満たし、簡単に保存等ができるサービス、70.6%が「利用希望」
「Q6.あなたは、電磁的記録の保存義務の要件を満たして、簡単に保存等ができるサービスがあれば、利用したいと思いますか。」(n=102)と質問したところ、2023年(n=102)は「とても利用したい」が38.2%、「やや利用したい」が32.4%、2022年(n=110)は「とても利用したい」が46.4%、「やや利用したい」が37.3%という回答となりました。
<2023年(n=102)>
・とても利用したい:38.2%
・やや利用したい:32.4%
・あまり利用したくない:4.9%
・全く利用したくない:1.0%
・わからない/答えられない:23.5%
<2022年(n=110)>
・とても欲しい:46.4%
・やや欲しい:37.3%
・あまり欲しくない:11.8%
・全く欲しくない:4.5%
*設問文の回答として整合させるため、2023年には選択肢の表現を修正しています。
■まとめ
今回は、東京都内の大企業(従業員数1000人以上)に勤め且つ電子取引を行っている、法務・経理・総務部門に所属している方102名を対象に、電子帳簿保存法改正に関する実態調査を2022年と比較しながら実施しました。
まず、2022年電子帳簿保存法の義務化について、86.3%が「知っている」と回答し、2022年と比較すると7.2ポイント高い結果となりました。しかし、改正された内容に関して具体的に把握しているのは67.0%にとどまり、2022年比で10ポイントダウンしました。また、職場で対策をしている方に、実際に実施している対策について聞いたところ、「新しいシステムの導入」が60.7%で最多となり、2022年と比べて5.9ポイント高まったことが分かりました。
今回の調査では、2022年の電子帳簿保存法の義務化について認知度は高まったものの、より詳しい情報の浸透はあまり進んでいない実態が明らかとなりました。一方で、システム導入が徐々に進んでおり、法律改正の条件を満たした便利なサービスが、今後さらに普及していくと言えるのではないでしょうか。